01.冬間夕映。

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「そんなこと…っ、 そんなこと、ないのですよ…!」 「、え…」 夕映の、必死めいた剣幕に、雅也はわずかな驚きをおぼえた。 こんな、声をはりあげるヤツなんて、…思わなかったから 「…、あ…ご、ごめんなさい! …その…」 そんな雅也の様子に気づいたのか、夕映はあわてて首を横にふる。 頬には、うっすらと羞恥。 「…えと…、雅也くん」 「…?」 「えっと…明日、お昼ごはん、一緒にたべませんか?」 「、は…」 「あ、あの…雅也くんさえよければ、なんですけど…」 「…つーか、なんで明日なんだよ。 今日の昼休み、まだだろ?」 「あ、では、いいのですか…っ? えと、雅也くんの心の準備があるかと思いまして…」 …は? 「で、ですから…」 「……、クッ」 「え…?」 「…、おま…バカっつーか、なんつーか… 、あははっ」 「あ…」 「お前、どこかズレてるっていわれるだ、ろ…」 雅也は、笑いを必死にこらえながら夕映を見すえた、が… 自分をまっすぐに見つめ、何か言いたげな夕映に気づくと、おもむろに問いかける。 「…冬間?」 「あ、いえ…っ …雅也くんの笑顔、かっこいいなぁって…」 「っ!!」 …ヤバい ぜってェ、…なさけない顔してる 「…っ、バカいってないで、早くいくぞ!」 「へ? あ、…はい…」 いきおいで、つないだ手。 くすぐったくて、 …今さら、スゴく恥ずかしい 「…おい、雅也クン」
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