01.冬間夕映。

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顔を真っ赤にしながら、必死に抗議する姿は、不自然さを浮かび上がらせるばかりだ。 …夕映は、とても穏やかにわらってみせて。 「? カンチガイの意味は、わかりませんけど… えっと、雅也くんがお兄ちゃんだったら…すごく楽しそうですね」 「、!」 『なんだ、このムダにピンクな空気…』 周りの内心は、言わずもがな一致していた。 「…あ、…あー… パンたりなくなったから、買ってくる!」 「? …では、私も…」 「いい! すぐ戻るから! むしろ来んなっ!」 「?」 雅也は、逃げるように、すごい勢いで階段をおりていく。 その音は、屋上の端にまでひびいていた。 「…行ってしまいました…」 一瞬ですぎていった出来事に、夕映は、きょとん、と目を丸くしていた。 雅也が帰ってくるまでに片付づをしておこうと、弁当箱のフタを手にとったのだが… 「夕ー映ーチャン。 俺たちと遊ぼーよ」 「…え…?」 ---------- …購買前の、自動販売機前に、一人の男がうなだれている。 「…っ…あー…! 恥ずっ! ムダに恥ずっ!」 『…雅也くん』 「…なんなんだ…」 顔も、指先も、熱くて 心臓が、痛いくらい鳴っている。 「…ワケわかんね。 そろそろ戻る、…か…」 「っいた! 雅也!」 「…卓哉?」 卓哉は、いわゆる『サボり仲間』だ。 …でも、珍しいな。 アイツが焦ってる姿… 「…夕映ちゃんが、ユウジたちにつれていかれたぞ!」 「、?!」 …冬間、? Next.. →
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