02.近づくな。

2/7

6260人が本棚に入れています
本棚に追加
/270ページ
「…で… 『ユウジ』って誰だっけ?」 「お前なァアッ! 金髪の、いつもお前にやられっぱなしのヤツだよ!」 「…あー」 …さっき、かかと落としくらわせたヤツか? 「ったく…お前って本当に人の名前おぼえねぇよな。 俺の名前だって、おぼえるのに一週間かかっただろ」 「…カタカナの名前なら覚えれるんだけどな」 「お前は外人かァアッ!!」 「は? 日本人に決まってるだろ」 「誰もンな真面目なツッコミ求めてねぇよ!! …っそれより、早く夕映ちゃん助けにいかなくていいのかよ?! ユウジ、お前にヤラれた腹いせに、夕映ちゃんに手出す気だろ!」 「…、」 …チッ、 だから、…俺は 「…どこにつれていかれたのか、教えろ」 「了解!」 卓哉のあとを、雅也が走っておいかける。 …その表情は、ゆがんでいて。 …こういうことがあるから、…嫌だったんだ アイツを、危険な目にあわせたいわけじゃなかったのに、 …アイツが 「…あそこだ! 今はなき、コンピューター部の部室!」 「サンキュ、アキラ!」 「卓哉だ!!」 表面ではふざけているものの、内心は穏やかではない。 …だけど、こうでもしていないと、 『ユウジ』を殺してしまいそうで …ダンッ!! 「…っ冬間!」 「雅也く、…?」 「…あ?」 目の前に広がる、理解不能な光景。 さらわれたという雰囲気は微塵にもなく、『ユウジ』と冬間は、向かいあってお茶を飲んでいた。
/270ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6260人が本棚に入れています
本棚に追加