02.近づくな。

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「…何、やってんだ…?」 「ええと…雅也くんが購買に行ったあと、お茶のいれかたを教えてほしいと言われまして… えっと、ユウジさんに」 …ズキ、… 「…?」 「アリガトねー、夕映ちゃん。 また今度、くわしく教えてよ」 「…あ、はい! 私でよければ…」 「…じっくりと、二人きりで…な」 「!」 ユウジの、なんとも不愉快な動向に、イヤな予感がして。 雅也は、夕映の腕をつかむと、半分引きずりながら、その部屋を出る。 「…おい、雅也クン。 ずいぶん早く助けにくるんだなぁ? 夕映チャンのことになると」 「…るせぇ」 「『大事』なんだなァ…?」 「っっ!!」 「? 雅也く…?」 再度、『うるせぇ』と一怒鳴りしてから、そのままコンピューター部の部室をあとにした。 ---------- 「あの、雅也くん 怒ってますか…?」 「っ、何で怒らなきゃいけないんだよ」 「…え、と」 雅也の声に弾圧されて、夕映はそれから無口になった。 それに気づくと、雅也はあわてて立ち止まって 「…、ごめん。 怒鳴るつもりはなかった」 「あ、私なら大丈夫ですよ…、 よく打たれ強いって言われますから!」 「…お前な」 …変なヤツ。 小さくて、 なんか可愛くて、 いっぱいいっぱいで、 ほっとけない。 …でも、 「…冬間」 「? はい…」 「もう、俺に近づくな。 今回は、何ともなかったが…これからもそうだとは限らないだろ」
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