18.オシマイ。

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「ッ黙れェエエ!!」 「夕映!!」 やよいが、刀を頭上に振り上げる。 『黙れ』と言わんばかりに…ソレは、勢いよく夕映の心臓めがけて…、 「ッ…!!」 カラン、…ッ 「、ふぇ…?」 不意、倉庫に響くのは…何かが床に落ちたような音。 何が起きたのか、それを確かめるべく…思いきり瞑っていた瞳を、おもむろに開いて。 「…そこまで、ですよ」 「刀は預からせてもらいましたヨ。 お母さん」 「っ万里兄さん、ユカリちゃん…!」 目の前に広がっているのは、待ちわびた光景。 万里とユカリが、自分と雅也を助けに来てくれた。 万里はやよいの両腕をふさぎ、ユカリは床に滑り落ちた日本刀を、懐にしっかりと抱え込んでいる。 「っお前ら…離せ!」 「イヤですよ。 …あなたは、このまま警察に行っていただきます。 監禁罪、暴行罪…それと殺人未遂。 刑務所で、しばらくゆっくりしていただこうかなぁ…と」 「ば、万里兄さん…それは、」 「夕映、アンタは今すぐ病院に行くわよ。 救急車は呼んであるから、兄さんが運ん、で…」 そこで、言葉が途切れる。 一瞬、その意図をはかりかねたが…雅也が何かを察してか、夕映を抱きかかえつつ、ユカリの前に立つ。 「…お前にも、迷惑かけたな。 万里先輩にも…近々、礼でもしとかないと、後が恐い」 「! 兄さん、記憶が…っ?!」 「あぁ。 …だから、」 ポン、と…ユカリの頭に、温かくて、大きな掌。
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