18.オシマイ。

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『はるき』、という単語に…やよいの肩が、ひどく強張る。 「、兄さん…?」 「今まで忘れていたのも、母さんが何かしたからなのかもしれないが…やっと思い出したんだ。 『はるき』は、…」 「雅也ッ!!」 凄い剣幕を携えた、叫び声にも類似する大声に…その場にいる人物全員が、反射的に息を飲み込んだ。 …やよいは、振り向きざまに雅也を見据えて。 「…私に逢いに来なさい、雅也。 その時、すべて教えるわ…。 『はるき』のことを」 「…あぁ」 その返答を聞いた刹那、…やよいの肩が緩く叩かれる。 それを合図に、止めていた歩みを進めた。 …それ以上、言葉をかけることはなかった。 次に逢うとき。 その時に、全てを聞くべきだと思ったから…。 ------------ 「…夕映…?」 「、っ…」 「…泣くな」 やよい達が去り、…雅也と夕映が二人きりになって、数分ともせず。 夕映は、雅也の腕の中で…ひたすら涙を流していた。 「イヤ、です。 雅也くんを困らせるために、ずっと泣いてやるんです。 …わ、…私…っ」 「、…夕映?」 「もう、雅也くんに逢えなくなるかと思…っ…。 …なのに、今は目の前にいて、…私を抱き締めてくれてて…っ。 夢じゃ、…ないですよね…?」 頬に添えられた、小さな小さな掌に…自分のソレを重ねる。 …この温もりは変わっていない。 きっと、幾年の月日がたったとしても… 「あぁ。 …夢なんかじゃ、ない」
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