18.オシマイ。

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おもむろに掌をすくい上げて、…そのまま唇に宛てがう。 『敬愛』を示す、愛撫のように…。 「俺の居場所は、ここだけだ。 …俺は、これからもずっと…夕映の傍にいる。 もう、離れない」 「…絶対に、離してあげません…っ!」 互いを求め合うかのように、二人は強く強く抱き締め合う。 久しぶりに覚える温もりは、…更なる涙を誘った。 ずっとこの温もりが欲しくて…欲しくて。 わずかに身を離し、…指先を絡ませ、見つめ合い。 そのまま、唇を重ね合わせる。 久しぶりのキスは、うれしくて、苦しくて、…幸せで。 …うまく、息が出来ない。 「…ストップ」 「、雅也くん…?」 不意、唇が雅也の指先にさえぎられて。 どこか不安じみた表情を滲ませる夕映に、…雅也は視線を泳がせて。 「…これ以上すると、止まらなくなりそうだし。 閉じかけた傷口が開いたら笑えねーし…。 …それに、救急の人に見られたら困るだろーが」 「! …ふふ、」 「っ、笑うな…」 「ふふ、…ごめんなさい。 …でも、」 身を乗り出して、…耳元に囁く。 『全部終わったら、キスも…それ以上のことも。 たくさんしましょうね…?』 ------------ 「…来てくれたのね、雅也。 一人?」 「あぁ。 …ユカリ、連れてきたほうがよかったか?」 「いえ。 …いいのよ」 あれから、何週間か経過して。 夕映の入院・退院を終え、落ち着いた頃…雅也は、刑務所へ向かった。
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