18.オシマイ。

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「俺は…もう、アンタを恨んでない。 …誰も、恨まない」 「…変わったのね、雅也。 少し前のあなたなら、柵越しでも構わず、私に襲いかかって来たでしょうに」 「! いつの話だよ…」 「…『あの子』のおかげ?」 『雅也くん』 …そうだ。 アイツがいるから。 どんなに傷つけても、突き放しても…アイツは、俺の傍にいるから。 「…雅也。 一つ、お願いがあるの…」 ------------ 暗所から、急に明るい所に出たからだろうか。 日の光が、いやに眩しく感じる…、 「! 雅也くん…っ」 門の所から、満面の笑みで駆け寄ってくるのは…もう、言わずもがな、 「待っててくれてたのか」 「はいっ! ユカリちゃんたちは、家で待ってるそうです」 「そうか…」 「?」 不意、言葉を飲み込み…自分をじっと見つめる雅也の意図がつかめず、夕映は不思議そうに目を丸くしていた…が。 雅也は、夕映の後頭部をつかむと…おもむろに、自分の懐に引き寄せる。 「? 雅也く…」 「あのさ。 行きてェ所があるんだけど」 「行きたい所…ですか? はいっ、ドコでもご一緒しますです! もう二度と、雅也くんの傍を離れないと誓いましたから」 「! …そうだったな、『約束』…だもんな」 「はい…っ」 久しぶりになるんだけどさ… 『墓参り』。 母さんの、分も。 頼まれたんだよ、…って、何笑ってんだ。 あ? …そーだな、『嬉しい』…かもな。 ついでに、お前のことも父さんとはるきに紹介したいし。 …『俺の大事な人』だって。 Next... →
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