19.将来の夢。

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そして、『その』話題が始まると同時…押し黙る人物が一人。 「そういえば、雅也は何か考えていないのかい? 雅也の口から『進路』とか『将来』って言葉を聞いたことがないんだけど」 「兄さんも頭いいんだし、やっぱり進学? 国立あたり狙っちゃうの?」 「、俺は…」 「なんなら、僕と一緒のトコに行くかい? 『ナカヨク』キャンパスライフを楽しもうよ」 「…万里先輩、なんかうさんくさいです」 そのまま話が逸れていき、盛り上がる万里とユカリを余所(よそ)に…雅也は、俯いて。 …夕映は、それを心配そうに見据えることしか出来ず…。 『…雅也くん…?』 ---------- 「じゃ、ここからは別行動ね。 兄さん、ちゃんと夕映のコト送るのよー?!」 「わかってるっつーの。 さっさと行け」 「あっ、ヒッドーイ! もう、兄さんのことなんか知らないから! …夕映、また明日ね♪」 お決まりの喫茶店にて、四人で語り合ったあとは…雅也と夕映、万里とユカリに別れ、それぞれデートを楽しむのが定番になりつつあった。 それに倣い、今日も二対二に別れるまではよかったのだが… 「じゃあ、またね。 夕映、雅也が少しでもヒドいことをしてきたら、すぐに電話するんだよ?」 「大丈夫なのですよ、万里兄さん。 ユカリちゃんも、明日学校でお逢いしましょう」 「おぅ♪ じゃーねーっ」 嵐のごとく、あっという間に去っていく二人を視界にとらえつつも…夕映は、雅也を上目に見据える。
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