19.将来の夢。

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「? 夕映?」 「…雅也くん。 何か、悩んでること…あるんじゃないですか…?」 「、え?」 「たとえば、…将来のこと…とか」 「!」 核心をつかれた、と言わんばかりに。 雅也の目は、一度見開かれた後…おもむろに伏されていく。 「…やっぱ、気づかれてたか」 「雅也くんのことなら、何でもお見通しなのですよ。 …だから、一人で悩んだり…抱え込んだりしないでくださ、…」 …、フワ… 不意、雅也の懐に引き寄せられて…強く抱き締められる形となる。 息も出来ないほど。 『愛しい』と、温もり越しに伝わる…。 「ごめん、夕映。 …ありがとう」 「お礼を言われるようなことなんて、してないです。 …私でよかったら、話してください」 「、あぁ…」 ------------ 「今まで、進路を全く考えてなかったワケじゃないが…そんなことは、どうでもよかったんだ。 どっか適当なとこに就職して、食い繋げればそれでよかった。 、でも」 「…『でも』…?」 その頃、二人は夕映の家にいた。 どこか店に入っても構わなかったのだが…あまりに意気消沈している雅也を気遣い、夕映が提案したのだった。 「…『でも』…」 『でも』。 ユカリや万里先輩、…そして、夕映の傍にいるためには…このままじゃダメなのだと、気づいてしまったから。 「…何でもねぇ」 『気にするな』と、乱暴に頭を撫でられて…夕映は、自然と言葉を飲み込む。
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