19.将来の夢。

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買った当初は小学六年生だったから、というのもあるが…何が書いてあるのか、微塵にも理解出来ず。 …だから、たくさん勉強して…この本を読めるようになりたいと思っていたのだろう。 「アルバムを見返さなかったら、一生忘れてたんだろーな…多分」 一ページ、また一ページ。 ゆっくりと、それでいて真剣に、本のページを次々とめくっていく。 完全に、『本』に没頭してしまっている自分に気づくことがないまま… 雅也が、その日眠ることはなかった。 ---------- 「ふぁぁあああ…」 「…雅也くん、今日はたくさんアクビをなさっていますね。 寝不足ですか?」 昼休み、四人は食堂に集まり、弁当をつっつきながら話に花を咲かせていたのだが… 一人、まったく話にくわわらず、もうすでに何十回目になるのかわからないアクビを、ひたすらくり返す男がいた。 …言わずもがな、その人物とは…雅也なのだが。 「あたしビックリしちゃったもん! 兄さんを起こしに行ったら、朝だってのに部屋の電気つけて何かの本読んでたのよ。 多分、夜通し。 話し掛けても反応しないから、本読みながら死んだのかと思っちゃった」 「…ヲイ」 「まぁまぁ。 でも、珍しいのは確かだよね。 ちなみに、雅也はどんな本を読んでたんだい? エロ本?」 「ふぇっ?!」 「ッ?! ちょっ…変なこと言わないでくださいよ、万里先輩! コイツが本気にとったらどーするんだ!」 「どうもしないね」 「…あのー…」
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