19.将来の夢。

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「…よかったです。 本当に…よかったですね…っ!」 「…あぁ」 笑った顔が可愛くて。 思わず、夕映の頭をくしゃくしゃに撫で回していた。 夕映も、頬を羞恥と嬉々に染めて…小さく笑い声を零す。 「…さて、そろそろ行くか。 昼休みが終わっちまう」 「はいっ!」 …いつだって、俺に『当たり前』を教えてくれる。 いつだって、俺に『キッカケ』をくれる。 …一生、大事にしたいって思うんだ。 夕映が、自ら俺の元を離れることを望むまでは…一生離す気はない。 …否、嘘をついた。 きっと、俺は…どんな手段を使ってでも、夕映を引き止め…離さないのだろう。 …そう、信じてた。 ------------ 『2年の佐倉雅也、 至急、職員室の山瀬まで。 くりかえす、2年の…』 「…あ?」 衣替えも済み、肌寒さを覚え始めた頃… 昼休みに流れた放送は、雅也に疑問と驚愕を与えた。 「ガミ男から呼び出しなんて、何かやらかしたの? 兄さん」 「いや、…特には思い当たらないんだが…」 「『ガミ男先生』、何だかお久しぶりですね。 確か…私と雅也くんを初めて引き合わせたのが、ガミ男先生で。 …本当に、懐かしいです」 「! …バカ、自分で思い出して照れてんなよ」 「、えへへ…」 「…ヲイコラー、そこのバカップル。 ワタシのコト見エテマスー?」 自分を空気扱いし、ピンク色のオーラを撒き散らす雅也と夕映を、ユカリは冷えた目で見据える。
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