03.…ごめん。

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「、え…?」 「ハハッ! ついに言いやがったなァ! …佐倉 雅也の名が泣くぜ! 一人の女にご執着、なんてよォ!」 「…、れ」 「あ?」 …ダァンッッ!! 「…『黙れ』、と言った」 今はもう使われていない、部活に使われていたのであろう得点板が、雅也の拳によって、七割方…粉々にくだけていく。 ほぼ、原型をとどめていない。 「…おもしれぇ… だが…お前、忘れてないか?」 「、あ?」 「、きゃ…っ!」 「!」 声のしたほうへ、おもむろに振りかえると…ユウジの仲間であろう男が一人、夕映の顎をつかみ、そこにナイフを宛てがっていた。 夕映の目尻に、涙がにじむ。 …が、 「…に、逃げてくださ…雅也く、」 「…冬間」 「わ、私 どうなっても、かまいません…だから、」 『黙れ』、と言わんばかりに、ナイフの先が、夕映の首筋にをかすめる。 その部位からは、一筋の血が流れて、 「っやめろ!!」 「…なァ、雅也クン。 お前は覚えてないのかもしれないが…知ってるか? ここにいるヤツら、一度はお前にボコボコにされたんだよ」 「…」 「だから、ちょいと数発ばかり殴らせてくれれば… 夕映チャンを返してやらないこともないぜ?」 …卑劣、だな 「…好きにしろ。 そのかわり、今すぐ冬間を放せ。 俺は、逃げも隠れもしねぇよ」 「ハハァッ! 聞いたかよ、お前ら! あの『ケンカ負け知らずの雅也クン』が、好きに殴らせてくれるってよォ!」
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