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…信じらんねェ。
「佐倉独自の見解も交えた、あのレポート。
無断で申し訳なかったが、教授に見せると、いたく感動していた。
今思えば、アレが決め手だったな」
B大学は、視野に入れていた所の一つなワケで。
そこの教授から、直々の申し出…。
「佐倉、行く気はあるか?」
「モチロンっス。
迷う必要もない」
「…そうか」
そこで、言葉を濁す山瀬。
それに疑問を覚え、雅也が問い掛けた。
「?
何か問題でもあるんスか?」
「いや、な。
コレは、お前も少し考えてしまうかもしれんが…」
「?」
「高校三年から、B大学の姉妹校、
M高校に転入しないか?」
ドク、ン…
「……?」
「うちの高校を卒業して、独自の勉学だけでB大学に行くのは、少し厳しい所がある。
変わってM高校なら、宇宙物理・理論学科があって、なおかつ教授もよく通うそうだからな。
話も色々聞けるだろう」
…M高校?
ここから、離れる?
夕映から、…離れる?
「お前の家の事情は知ってる。
簡易にだが教授に話したら、奨学金を出してくれるそうだ。
M高校もB大学も全寮制だが、そっちのお金は全額負担してくれるそうだしな」
『全寮制』
「…っ」
都合よく、夕映たちと近い大学に行けるなんて、ハナから思っていない。
…それでも、
「返事は、出来れば来週中に頼む。
何なら、直接B大学に行って話を聞いても構わない。
教授には俺から話しておく」
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