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言葉の意図を掴みかねている夕映をよそに、…蘭伽の眸は、妖しげに細められて。
「佐倉は…とと、
お前の彼氏は、バカだから浮気は出来ないと思うぞ。
離れても、バカみたいにお前のことばっかり考えて、お前だけを愛して…そうして互いに夢を叶えた頃、お前を迎えにくる」
「、蘭伽ちゃ…」
「だから、ちゃんと背中を押して送り出してやれ。
お前が寂しがりやなのはわかる。
だが、…好きなヤツが自分のせいで何かを我慢するほうが、もっと嫌だろう?」
「!」
夕映は、どこかハッとしたように立ち上がると…『ありがとうございます、蘭伽ちゃん』とだけ行って、上着も羽織わず、外に飛び出して行った。
蘭伽は、火のついたタバコを灰皿に押しつけて…
『…hallelujah、』
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