20.傍にいる。

13/13
6259人が本棚に入れています
本棚に追加
/270ページ
言葉の意図を掴みかねている夕映をよそに、…蘭伽の眸は、妖しげに細められて。 「佐倉は…とと、 お前の彼氏は、バカだから浮気は出来ないと思うぞ。 離れても、バカみたいにお前のことばっかり考えて、お前だけを愛して…そうして互いに夢を叶えた頃、お前を迎えにくる」 「、蘭伽ちゃ…」 「だから、ちゃんと背中を押して送り出してやれ。 お前が寂しがりやなのはわかる。 だが、…好きなヤツが自分のせいで何かを我慢するほうが、もっと嫌だろう?」 「!」 夕映は、どこかハッとしたように立ち上がると…『ありがとうございます、蘭伽ちゃん』とだけ行って、上着も羽織わず、外に飛び出して行った。 蘭伽は、火のついたタバコを灰皿に押しつけて… 『…hallelujah、』 Next... →
/270ページ

最初のコメントを投稿しよう!