03.…ごめん。

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『るっせェな! ドイツもコイツも! っざけんな!』 …『なのに、』 『てめェらは全員消えろ! 今すぐ! …理解しようともしてねぇくせに、知ったかぶりすんな!!』 …涙が出た。 彼が、怖かったからじゃない。 彼が、 …もろくて、いとおしくて 涙が出た ---------- 「…本当にうっすらとしか、覚えてないが…そういえば、どなったかもな。 …『ウワサ』がどーのこーのって、一部のヤツらがうるさかった…気がする」 「…それから、雅也くんは学校にこなくなってしまって… それでも、私の頭の中には…雅也くんがいて」 「!」 「私、『ウワサ』の内容おぼえてます。 雅也くんが、母子家庭だということについて」 「…あぁ、」 「雅也くんのお母さんは、『人殺し』だって。 だから、離婚されたんだって」 …そう、だったな 「…お前も、ソレ信じたのか?」 「いいえ。 …でも、そのことが本当でも、うそでも… 『ウワサ』で雅也くんが苦しんでるなら、私は何とかしたいって…思ってましたよ」 『ウワサ』なんて、どうでもよくて。 私が知ってるのは、 桃味のアメをくれた、 おだやかに笑う、 やさしいオトコノコ 「…お前は、俺のコト買いかぶりすぎだろ」 「そんなことないのですよ。 これだけは、誰に何を言われようと、…たとえ相手が雅也くんでも、 絶対にゆずれません」 …変なヤツ。 だって、 …そんなこと、今まで誰も言ってくれなかった。
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