04.…触れて。

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「…あの、雅也くん。 実は、逢ってほしい方がいて…」 「? 誰だ?」 まわりの奇異(きい)の目が少し気にはなっていた、が。 二人は、手を重ねたまま、ただ黙々と、ここまで歩いてきた。 教室にたどり着くなり、口を開いたのは、夕映のほうで。 「あ、ええと… …秘密、だそうです」 「…『だそうです』?」 「と、とにかく…っ お昼休みは、むかえにいきますね!」 名残おしげに重ねた手を離して、それぞれの教室に戻っていく。 まわりの根も葉もないウワサはあいかわらずだったが、…なぜか 今は、気にならなくて 「…ていうか、普通むかえにいくのって俺か」 ------------ …昼休み、 夕映は予告どおり、雅也の教室まで迎えにきた。 うながされるがまま、屋上にたどりついたのだが 「私の友達の、原田まゆちゃんです!」 「は、初めまして…」 「? …あぁ」 ソイツは、よく見れば、冬間がユウジに連れさられたとき、教室で見た女… の気がする。 「…おい冬間、逢ってほしいヤツって…」 「っもー、あいかわらず愛想悪いんだから! 雅也兄さんはっ♪」 「………」 …あぁ、はてしなくイヤな予感がする…。 「朝ぶりぃ~、雅也兄さん! あなたの妹の、佐倉ユカリでぇっす!」 「、え…妹だったんですか?!」 「知ってて言ってたんじゃないのかよ?!」 心から『初耳』、という反応を示す夕映に、雅也が即座にツッコミを入れた。
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