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「まぁ、ぶっちゃけると…お前は留年しそうな状況下にある」
「冒頭からぶっちゃけすぎだろーが…読者もビックリだ」
ガミ男は、『冬間』という名前の女の肩に手をのせて、俺にそうつげた。
…しかし…
この女、ネクタイの色が同じだから、同学年ってのはわかるが…
とても高校生にはみえない。
背は150センチあるかないか。
プラスして童顔。
…はたから見ると、小学生の肩を抱く、変態教師の図だ。
…ふと、冬間と目があう。
「……ッ!」
普通の女は、俺と目があうと、勢いよく目をそらす。
…なのに、冬間は…怖がる様子もみせず、小首をかしげながら、やわらかく笑ってみせた。
「……?」
…調子、狂う…
「まぁ、そういうワケだ。
不思議なことに、お前、テストの成績はいいからな。
進級テストをそれにするのもつまらん」
「…あ?」
去年の進級のときも、こんなやり取りはあった。
テストは毎回一番。
だが、出席日数があきらかに足りなく、進級テストをうけることになったのだが、…
「べつに、またテストで構わないぜ?
満点とってやるよ」
「まぁ、テストはモチロン受けてもらうが…
プラスして、二つ守ってもらおうか」
「…は?」
ガミ男は、気持ち悪いくらいの笑顔でつぶやくと、再度、冬間の肩をたたいてみせた。
「一つ、明日から、毎日出席すること。
一つ、どんな理由があろうとも、二度と問題をおこさないこと。
…どうだ、簡単だろう?」
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