05.自覚した。

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その表情に、『優しさ』なんてものはなくて。 いつかの、『佐倉 雅也』みたいだ、…なんて 「、何を…」 「俺を更正できたら、成績アップの約束…でもしてんのかよ?」 「…、え…?」 雅也くんは、…この人は、何を 「…もう、二度と俺に話しかけるな」 そのまま、きびすを返して、…廊下の角に、姿をけした。 「雅也くん…!!」 ---------- それから、一週間がたって。 夕映は、何度か雅也に話しかけようと試みたが、やはり無理で。 学校には来ているようだったが、逢うことはなかった。 「…雅也くん」 ユカリに聞いてみても、これといった近況はつかめなかった。 兄にも聞いてはみたが、答えは同じで。 「…雅也は、最近ケンカを売られたら、買ってるらしいよ。 今までは無視していたからね、雅也をうらんでいたヤツらが、ここぞといわんばかりに、ケンカを売ってるらしい」 「、そんな…」 「…雅也に、何かされた?」 「っ違うんです! …雅也くんは、悪くない…です」 「…でもね、夕映」 万里が、夕映の頭に、手を添えて。 「雅也が夕映に危害をくわえるようなら、俺は容赦しない。 当たり前だけど、俺が大切なのは雅也じゃない。 夕映だから」 「…はい。 わかって、…ます」 お兄ちゃんを、心配させたいわけじゃない。 …でも、私は 「夕映」 そんな夕映の考えに気づいたのか、とがめるように、万里が声をあげて。
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