6260人が本棚に入れています
本棚に追加
------------
「…そーいや、お前ってドコのクラスなんだ?」
「えと、隣のクラスですよ」
階段をのぼり、二階にさしかかったところで、雅也が問いかける。
なぜ、自分の『お目付け役』に夕映がえらばれたのか…それをさぐるためだった。
「でも、一年生のときは同じクラスだったんですよ?
雅也くん、ほとんどクラスにいませんでしたから、気づいてなかったと思いますけど…」
「あ゛ー…ていうか、ぶっちゃけ、クラスの連中は誰一人としておぼえてねェな」
「一人も…ですか?」
「…あぁ。
今のも、前のも」
…一年生のときは、たまにクラスに行くと、
怖がって遠巻きに俺をみる男子たち。
保護者ぶって、俺をうわべだけ理解しようとする女子たち。
…心底、ウザくて
「…でも、私は…」
「…あ?」
「い、いえ…っ!
なんでもありませんっ!」
「…?」
真っ赤になって、あわてふためく夕映を不思議そうに見つめながらも、それとなく問いかけてみた。
「…そういや、さ」
「はい?」
「なんで、『お目付け役』…冬間なんだ?
同じクラスだからかと思えば、違うみてェだし…」
「、あ…えと…
雅也くんは、いつでもテスト順位一番をキープしてますよね?
私は、次点なんです。
だから…」
「次点って…二番か?」
「はい…っ、一応は」
少し、なるほど、と…みょうな納得をしてしまった。
ガミ男の考えそうなことだ
「…じゃあ、大変だな。
こんなヤツの『お目付け役』なんて」
最初のコメントを投稿しよう!