序章 闇夜の訪問者

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セナは15歳。 この桜野里の国を治める、"帝"の娘、つまり姫だ。 彼女には、幼さい頃から、今は亡き母親から授かった横笛を吹くと、人には見えない邪、"鬼"を消す事ができた。 "鬼"─‥それは昔、人だった。 重い罪を犯した罪人を、当時の帝が、呪術によって、人から見えない姿にしたのが"鬼"の始まりであり、"鬼"と呼ばれた罪人や、その子孫達が、人間を恨むようになった、最大の理由でもある─‥ 以来、罪人は人間に復讐をしようと、人に化けたり、人を殺したりと…悪さをするようになった。 やがて罪人は"鬼"と呼ばれる存在となっていったのである… そして、その子孫も─‥ 人間にとっての邪の"鬼"を、唯一消せる存在。それがセナだ。 セナ─‥ その顔はまだ、幼さが残るが、綺麗な顔立ちをしており、素直で真っ直ぐな性格をしているため、民からは好かれている─‥ しかし、一部の民は違った。
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