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最近、キャンパスの木が青々としてきた。
頬を照らす太陽が眩しい。
まだ5月になったばかりで気持ちの良い快晴の中、由紀は背伸びをした。
4年生になったばかりではあったが、単位は足りているし就職の内定も決まったばかり。
なんだか眠たい気持ちでベンチに腰掛け、グランドを見ていた。
「ちょっと由紀、聞いてんの?!」
ボヤっとしてる由紀に隣に座っている知佳が声を荒げた。
「聞いてるって~!
でも、そもそも悪いのは知佳なんじゃない?」
「私が悪いのは分かってるわよっ!」
「じゃあ、浩二に謝るべきなのは知佳じゃん。」
「最初は私が悪いかもしれないけど…アイツ浮気しようとしてたんだよっ?!」
「あんたが浮気したんじゃん…」
「超ムカつくよね!!
ちょっと他の男と食事してたくらいで、メル友作って腹いせしてさ!!」
「メル友っていっても、メールしてただけでしょ??
あんた実は食事だけじゃないんじゃない??」
ハッとした顔で知佳の動きが止まった。
…
…………
知佳は人差し指を唇に当てて、ウフッと笑った……
………やっぱりか、と由紀はため息をついた。
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