風が吹いた

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「ね~、由紀~! 髪おかしくない?」 しきりに髪型を気にする知佳。 由紀が知佳の髪を直していると、知佳の携帯が鳴った。 「も~、浩二遅いよ~! 今どこ~??」 知佳は周りをキョロキョロと見渡し、浩二を見つけたのか大きく手を振った。 少し遠くから走ってくる男が見え、浩二だと思った。 浩二とは由紀も面識がある。 3ヶ月ほど前に、浩二が入ってるフットサルのサークルの飲み会に知佳が呼ばれて、一人じゃ嫌だからと由紀も無理やり連れていかれた時ぶり。 「ごめん、待ったよね~!」 浩二は息を切らせて駆け寄ってきた。 「も~!浩二遅~い!」 ぷ~っと頬を膨らませる知佳に、さっそく浩二は目がハートだった。 「知佳、由紀ちゃんもごめんな~!」 浩二は見るからにスポーツマンというような笑顔をみせて、由紀は最初の予定よりめんどくさそうな予感がしていた。
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