噂のアイツ

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次の駅でおっさんを降ろし、駅員を呼んだ。 難しい事は俺の代わりに同じ現場にいた大学生くらいの若いお兄さんがやってくれた。ここらへんが子供と大人の違いだなと感じる。 痴漢にあった女の人がお礼を言いにきた。学校に急いでた事もあり顔はあまり見なかったが、きれいな感じの大学生くらいの人だった。 「じゃあ俺はこれで!」 「あ!あのっ!」 「先ほどは本当にありがとうございました!あの、な、名前だけでも教えて頂けませんか!」 来たコレ。お決まりのパターン。 「いえいえ。名乗るほどの者ではありません。」 顔の前で軽く手を振りながら言う。 「そこをなんとか…。や、やっぱり無理でしょうか?」 「えーと、俺の名前は松田真人です。ただの通りすが…」 周りを見たら、俺と彼女を中心に人だかりが出来ていた。急に恥ずかしくなった俺は、急いで電車に飛び乗った。
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