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照『……僕はいる。だからこれ以上この里の人間を殺す必要なんかないだろ!?』
カンク『照美っ!待ってろって言ったじゃんよ!!!』
照『…………。これ以上……』
僕のせいで人が死ぬなんて……。
ホムラ『……フンっ…まぁいい。行くぞ。』
僕は俯き…彼の横を素通りした。彼の顔を見てしまったら、また僕の我が儘が出てしまいそうだから…。あまりにも幸せだった時間を思いだしてしまいそうだから。
カンク『………。』
グイっ!!
僕の腕が強力な力で引き戻される!
突然のことで反射的に引っ張られた方向を見てしまった。
寄り添って寝た時よりも近くに……触れてしまいそうな近くに…彼がいた。
いつもより眉間のシワが深くなって、僕を掴んだ手は痛いくらいに強く握られていた。
カンク『………照美……』
微かに囁く彼の声は僕に届くには充分過ぎるほどの強い意思が感じられた……。
カンク『照美……オレは……………お前を助けてやりてぇと思ってンじゃんょ……。何で……なんでだ……。』
照美『カンクロウ……』
カンク『何で行っちまうんじゃんっ?』
ぐっと強く抱き寄せて暖かく包み込んでくれる彼に…僕は何の恩返しも出来ずに……行かなくちゃいけない…。
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