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照『……カンクロウ…』
涙がこぼれた…。
どんなに人を殺しても
どんなに多くの別れを越えてきても
きっとこれ以上に辛くて悲しい別れはないかもしれない……。
カンク『……泣く位なら…どこにも行くんじゃねぇじゃんっ!』
僕は彼から目線をそらした。
照『………弟』
カンク『?』
照『……あいつらに弟を人質にとられてる……』
カンク『……!だったら一緒に助けに行ってやるじゃんよ!』
照『……そんなことしたら……弟がすぐにでも…殺されてしまう』
カンク『…?人質なんだろ?そんな簡単に……』
照『……人質なんて誰でもいいから…。カンクロウだって人質にされかねない…………そんなの………嫌だ。』
カンク『………照美っ』
幾度の経験が僕にトラウマを与えた。
僕がヘマをするたびに僕に優しくした人間を次々に虫けらのように殺していかれた経験が、僕の足を戦地へと誘う。
照『…弟は……昔から心の臓を病んでいて永くは生きられないから……。……せめて寿命だけは…と、かねがね思ってる。………でも……疲れてて……逃げ出して……全て忘れてしまいたかった…。それで幾人も人が犠牲になったっていうのに……。』
カンク『お前は悪くなんかねぇじゃん!!悪いのはそれをしてる奴らだろっ!』
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