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小さな男の子は襖ごしに、か細く白く病弱そうな様子で僕の帰りを驚いたように見ていた。
男の子『……お帰りなさい姉上。』
今にも消えてしまいそうな弱い声でありながら、どこかに力強さを感じさせ…
僕は強がって見せているのだと気付いていた。
照『……ただいま。』
この目の前にいる少年が僕の腹違いの弟の輝[ヒカル]だ。輝は生まれながらに病弱で僕と真逆だった…。輝は自由にどこにでも行ける身ではない。
いつも独りで待ち続ける。死を待ち続ける――
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