日常の終焉

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…   外でゎ小雨が降り続いている。 天気予報によると午後にゎ上がるそうだ。   「嫌ですねぇ…こんな日に雨なんて」   窓の外を眺め彼がぼやいた。   「荷物濡れちゃうね」   ソファーに座ってテレビを見ながら私が言う。   「んーまぁ梱包されているから濡れゎしないと思いますよ」  彼ゎヘラヘラと笑って返した。 私ゎそれをあまり聞かずに部屋を見回す。 棚も机もすべて梱包されて部屋ゎがらんとしていてほとんどなにもない。   「にしても…晴れた日にやりたかったですねぇ…引っ越し」   そう、今日ゎ引っ越しの日だ。   夫がいなくなった私がここにいる理由ゎない。だから、私ゎここを売り払って実家に帰ることにしたのだ。 そのことを今外を憂鬱そうに眺めている彼に言ったところ   「じゃぁ早いほうがいいですねぇ」   と言って段取りから何から全部やってくれた。しかも、料金ゎすべて自分が持つとまで言ってくれた   「なんでそんなことまでやってくれるの?」   と聞いたところ   「せめてもの罪滅ぼしです」   と言って彼ゎやはり笑っていた。 原因ゎすべて瑞希だったのだから気に病む必要ゎないよ?と言ったが彼ゎ聞かなかった。     「これから、どうするの?」   ふと、なんとなく彼に聞いてみたくなってテレビを見ながら言った。   「これから…ですか?」   ぅーん…と彼ゎ唸って考えてから   「とりあえず、瑞希の側に行こうかと思います」   あっさりと、彼ゎ自分を振った女のところへ行くと言った。   「なんで…?」   思わず驚いて彼の顔を凝視してしまったが、彼ゎ晴れやかな笑顔で   「彼女にゎ僕が必要ですから」   と言いのけた。 彼ゎ絶対の自信を持っているのだ。 瑞希にゎ自分が必要。 たとえ、瑞希にそれがわからなくても彼ゎ自分が必要だと信じているのだと思う。   やっぱり、危ない人だと改めて思った。でも、同時に今の私にとってゎうらやましくもあった。   「あなたゎどうするんです?」   彼が言う。   「私ゎ…」   言いかけてやめた。今後のことなんて何も考えてなかったのも事実だったけど、 それでも、1つだけ言えることがあって、それを言うべきか迷ったのだ。
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