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うぅ~っと唸りながら半泣き状態のその子を太陽は見て声をあげた
「風夏…?」
「…っ?!」
その子は風夏と呼ばれて太陽の方を見た
「あっ太ちゃん」
っと、太陽を指しながら少し驚いた様に言った
「どうして太ちゃんがいるの?珍しいね♪♪」
太陽を見た瞬間に風夏はきゃっきゃっとはしゃぎはじめ、悠真に見向きもしなくなった
いや…いんだよ?いんだけど忘れ去られてる様な気がするんだけどな(汗)
悠真は心の中でそう言うとはぁっと浅い溜め息をついた
「?…アリっ悠真は大丈夫だったのか?」
「へっ?」
唐突に話しをフラれ変な声が出て、少し頬が赤くなった
「へっ?ぢゃないだろ~(汗)怪我してないか?」
悠真がボケーっとしている間に話しは進んでいたらしく、太陽は心配そうな表情で悠真を見た
「あっ…うん。怪我、してないよ」
ぎごちなく返事をすると、太陽はニコッと笑った
「そっか♪ならいんだ…」
「怪我でもしたら大変だからね♪」
「??」
何が大変なんだ…?
風夏はニコッと可愛らしく悠真に笑いかけてそう言った。いまいち解らない…。
太陽は風夏にボソッと何かを言った
「…っ…」
「!?…ハィ」
よく聞き取れなかったけど、風夏がいきなり大人しくなった
そして……悠真の方に向き直った
「悠真(アリス)…少しの間夢を見て……」
再びニコッと可愛らしく笑う風夏に恐怖感を抱いた悠真はお兄ちゃんを見た。
「おにぃ……っ?!」
見た瞬間お兄ちゃんの姿はなかった…もちろん太陽の姿も……。
風夏を見ると風夏は不敵に笑っていた
-クスッ-
-クスクスッ-
怖くて足が竦んだ…
此所にいてはダメと頭の中で信号が出てる
だけど動かない…動けない
「アリス…アリス…オヤスミ」
フッと睡魔が悠真に襲いかかった。そして、意識が途切れた……
《完》
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