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1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/30(日) 02:27:50.98 ID:3qmHaia70
竜の巣と言われる洞窟の中。
大きな竜が一匹と、小さな男の子が一人。
男「できた!」
竜「先程から…何を作っていたのだ?」
男「うん。竜さん、女の子なんでしょ?」
竜「ああ」
男「だからね! 角飾り作った!」
竜「…角飾り?」
男「うん。もっと可愛いの作ってあげたかったけど、
材料に使える者がなくて…やっぱり嬉しくないかな?」
竜「…いや、嬉しくなくはない」
男「嬉しい?」
竜「…なくはない」
男「んん…どっち?」
竜「…ありがとう」
男「うん!」
2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/30(日) 02:28:49.54 ID:3qmHaia70
竜「寂しくないか?」
男「え、何で?」
竜「此処には他に人もいない。寂しいだろう。
お前の望むものなど、何もないのだから…」
男「僕のほしいもの、ここにあるよ?」
竜「?」
男「竜さんがいる!」
竜「…」
竜「そうか、そうだな」
男「うん!」
竜「私にもお前がいる」
男「うん!」
竜「…ありがとう」
男「…? 何でお礼言うの? 変なの」
3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/30(日) 02:30:16.47 ID:3qmHaia70
竜「…どうした? 私の背中を見て」
男「竜さん、大きいよねえ。
背中のったら、どんな景色なんだろう?」
竜「のってみるか?」
男「え、いいの!?」
竜「かまわんよ」
男「んしょ、んしょ」
竜「(く、くすぐったいな…)だ、大丈夫、か?」
男「うん! 尻尾のぼるのも大変!」
竜「そ、そうか。無理はするなよ。怪我など、しないようにな」
男「うん!」
男「すっごいなー!」
竜「どうだ?」
男「すっごいよ! うんとね、すっごい!」
竜「何がすごいんだ?」
男「僕の背が高くなった!」
竜「…そうか。それは良かった」
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