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60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/30(日) 05:04:53.32 ID:3qmHaia70
竜「…どうだ?」
男「ああ、大丈夫だ」
竜「急に背中に登りたいなどと。
いつも餌場に行く時に乗っているだろう」
男「それとこれとは話が別さ」
竜「ああ、別だな。
こんな洞窟の中で登っても、景色など良くもないだろうに」
男「いや、私はすばらしい景色だと思う」
竜「どこがだ。何も無いというのに」
男「竜がいるから、私は背中に乗れる。
そこから見える景色は、竜が見ている高さと同じだ。
まるで竜と一つになれた気がする」
竜「…は、はずかしいことを」
男「そうか? 私にはとても大切なことだ」
男「凄いよ」
竜「何が凄いんだ?」
男「私の背が高くなった!」
竜「…ふふ、ははは」
男「ははっ、ははは!」
62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/30(日) 05:11:19.18 ID:l1+kli4aO
(´;ω;`)
63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/30(日) 05:12:06.88 ID:3qmHaia70
竜「…大丈夫か?」
男「ああ、少し疲れただけだ」
竜「ならいいが。あまり無理はしないでくれ」
男「大丈夫だ。まだまだ」
竜「私の目から見てもわかる。最近、体が重いのだろう。
餌も一人で取ってくるから大人しくしていろ…」
男「せっかくのデートなんだ。一緒に行かせてくれないか?」
竜「駄目だ。…本当に、無理はしないで、くれ…」
男「…」
竜「お願いだ」
男「…わかった。愛する妻の頼みだ。大人しくしているよ」
竜「…眠った、か」
竜「わかっていた事だが、辛い、な…」
竜「何故、私は竜などに生まれたんだ…」
竜「…昔も、同じ事を考えた気がする」
竜「何故、私はこんなに体が大きいんだ。
体を揺らして、涙を流すことすらできない…!」
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