序章~漂流~

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「食い止めるって、そんなの無理に決まってるじゃん!!相手はナイフ持ってるし、魔法とか使うんだよ!!」 「無理かもしれないけど、ここで食い止めないとみんなやられる!!」 和之は相手を睨みつけつつ言った。 「和之…」 奈央は和之を見つめた。 「…解りました。一緒に行きましょう奈央」 亜紀は奈央の手を取り、車のドアに手をかけたー。 「!?」 物凄い早さで飛んできたのは火の玉。 亜紀は振り返り、男達を睨みつけた。 「おぉ。怖い怖いでも逃がさないぜ??俺達の用があるのは野郎じゃなくて可愛いお嬢さん達だからな」 クックックッと笑いを抑えたような声を上げ、男達は2人を見る。 舐めるようにー、という表現がピッタリな感じだ。 「最悪…」 奈央はキッと男達を睨みつけながらそうもらした。 「俺達を無視するなんて良い度胸してるじゃん??おっさん達よ~」 宏隆は、ズンと前に出る。 「何だ~?魔法も使えないガキが俺達に勝てるって言うのか??」 男達は宏隆を睨みつける。 (幸谷これで良いのか??) (ああ、完璧だ) 幸谷は宏隆にそう言うと、和之にサインを出す。 和之は頷き右側に飛んだ。 男達は一瞬、何が起きたか解らない顔をした。 和之はそこにあった物を拾い上げ幸谷に投げた。 「これならどうだ!!」 幸谷は、それを一気に抜き放つとすぐ近くの男に振るった。 ズシャア!!! 男は悲鳴を上げ、後ろに倒れ込んだ。 幸谷の手に握られていたのは、長さが身長程あるー、マグロ包丁だった。
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