反抗期

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すると、母はエプロン姿のまま海の中へ歩いてく。 腰の辺りまで水につかり、さらに進もうとする。 あっという間に首まで水に浸かり、さらに歩き続けようとする。 俺は怖くなって、大声で叫んだ。 『母さん、お願いだから戻って来て!!』 母は振り向いて戻ってきた。 僕は泣きじゃくっていた………。 その日から僕は母に 『死ね』とか『ババア』とか言わなくなった。 反抗期が終わった日だった……。 それから20年程の歳月が経ち母は天国、僕は小学生の息子をもつ父親になった。 どれほど子供がかわいくて仕方ないか分かるようになった。 これから始まるであろう息子の反抗期も母のことを思い出して、命をかけてあいしていこうと思う。 完結
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