0人が本棚に入れています
本棚に追加
「だけど、ラブレターなんて今時古風だねぇ」
望美は朝の爽やかな空気に似合わない、呆れた表情で私を見た。
「だって望美が書いたら、って言ったんじゃ……」
「んー。そんなこと言ってたっけぇ?」
私は望美の横顔を睨んだ。
望美はその様子を見ると、吹き出すように笑った。
「まあまあ、そんなに怒らないでぇ。素直な所がこーこのいい所なんだからぁー!」
「…………。そうかなぁ」
彼女、亀木 望美とは家も近所で、小さい頃からいつも一緒だった。
いわゆる幼なじみというやつだ。
中学生になった今も、こうして一緒に仲良く登校している。
先輩のことも、色々相談にのって貰っていた。
そんな望美に不意打ちで誉められたのは、少し恥ずかった。
遊ばれているような気もするけど。
最初のコメントを投稿しよう!