世間~無情

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世間~無情

『和也~給食費払ってる?』 学校の帰り道に赤いランドセルを前向きにかけて タンポポの花を和也にぶつけながら高美がぶっきらぼうに聞いた。 『俺かい?判らないけど~ばあちゃんがいつも封筒に入れてくれて先生に渡してるから払ってるよ~多分』 なんとも たどたどしく高美の後ろから答えている 『あのさぁ~うちも母さんが入れてくれて、テーブルに置いてくれんだけどさ~父さんがそこから抜いてるんだ~給食費…だからもう何回も先生に出してない』 高美はいつもの男の子言葉 に元気がなかった 『今日、園田先生に呼ばれてたのは給食費の事だったの?』 『うん』 高美はうなづいた 目には少し 涙を浮かべてた 『来月の給食費さぁ~俺休むから婆ちゃんに貰ったの高美がつかいなよ』 高美は 泣いたまま返事をしなかった。 たった一人の仲良しにこんな話をした自分に後悔したのであろう 涙を拭いて 『ば~かなんとかなるよ~』 と また タンポポを和也にぶつけて笑ってみせた。 数日後 和也が近所の自動販売機で ジュースを買ってると 『駒井さんちの高美ちゃん~給食費も払ってないらしいよ』 『あそこの旦那仕事もしないで奥さん大変だよね~』 『うちの子がいってたけど~先生が建て替えるか教育委員会に相談しなさいってまで言われたらしいのよ』 そんな近所の暇人が買い物ついでに他人の事を話ていた。 和也は なんとなく理解した。 後何日かすると 学校中に わかってしまうと
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