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『なんだったんだろー…』
家に帰って夕飯をひとり作りながら、あたしは今日出会った彼のことを思い出していた。
金に近いような薄い茶色い短い髪。
純粋で綺麗な、瞳。
掴んだ腕…細かったな。
しかも体重も軽かった。簡単に引っ張って立ち上がらせることができたくらいだから。
華奢な人…。
変なやつ。
千秋。
なんにも言わない。
しゃべらない人。
人見知りなのかな?
それとも、もともと無口なのかな?
どうなんだろう?
考えごとをしていたあたしは、鍋が噴いていることに気がついてなかった。
『うあーっっやばいーっっ』
…また、どっかで会えるかなぁ?
あたしはそう思っていた。
それが千秋との出会いだった。
ベタすぎて少女マンガかよって思ったりもしたけど、確実にあたし達は運命的な出会いをはたしたのだった。
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