不思議な人

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『ありがとうございました』 土曜日。 今日は昼間だけのバイトだ。土曜日はたいていそういうシフトにしている。 古本屋さんのバイト。 時給がいいんだこれまた。 普段学校があるときは夕方から入っているけど、土曜日は夕方から遊んだりできるように早い時間から働いている。 やっぱりあたしだって女子高生だから、遊びたいときだってある。 そこまで制限して暮らしたくないしね。 あたしの一人暮らしには、ちゃんと理由があるんだから、がんばらなくちゃいけない。 あのときのこと、忘れちゃいけないんだ。 在庫を確認したり、整頓したりしていた。 ふと、目に入って来た男の姿にあたしは思わず身をかくした。 うあ…あいつ、なんでいるんだよ。 あたしがここで働いてるの知ってんだろ。 それはあたしの元カレ。 以前あたしがフッた男だった。 告られて付き合ったけど、好きにならなかった。 しかもあいつ、浮気してたし。
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