不思議な人

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あたしから何かしてあげたいと思った人は、今まで誰もいない。 いつも告られたり、告られるまえにデートにさそわれたり、プレゼントもらったりで…思えば自分から好きになった人もいないんじゃないかってくらい、恋をしたことがない。 冷めてるのかなぁ。 いや、そんなことはない。 きっとまだ出会ってないだけだ。 このさききっと、どこかで―――……。 ―――――ドンッッ 『…いったぁ…』 そう言いながらうえをむくと、まさかな出来事があたしに起こった。 『!!!』 『き…昨日の…』 そこにいたのは千秋だった。 千秋もあたしのことを覚えていたみたいで、驚いた顔をしている。 あたし達は固まってしまった。 な…何をいえばいいんだろう…。 そんなふうにして悩んでいると、店の奥のほうから店長のあたしを呼ぶ声が聞こえて来た。 『日向ちゃ-ん、あがっていいよ-っ』 『あ、はぁーいっ』 あ、そうだ。
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