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『あたし着替えてくるから、ちょっと待ってて!』
あたしは千秋にそう言い残してその場を立ち去った。
待っててもらってどうするかなんて、なんも考えていなかったけど…なんとなくこのままあっさり別れるのもいやだった。
なんでかな?
ロッカーを開けつけていたエプロンをはぎとり、荒々しくロッカーにいれる。
着替えなんかこれだけだ。
あとはカバンを持って外にでるだけ。
千秋は本当に待っていてくれているのかな…?
再びお店のなかに戻ったけど、千秋の姿はなかった。
『帰っちゃったか~…』
がっくり肩を落としながら外にでる自動ドアをくぐり抜けた。
すると千秋はそこにいた。
あ、いた。
嘘っ!帰っちゃったかと思った。
『ごめんね!待たせちゃって』
『…』
彼は無言で首を横にふる。
やっぱり何もしゃべらない。
一体…?
『あっちにある公園にでもいこうかっ!』
あたしは不思議に思いながらも千秋の手をぐんぐん引っ張って行った。
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