サン・ジェルマン伯爵

2/3
前へ
/118ページ
次へ
彼は18世紀ヨーロッパに忽然と姿を表した。 「サン・ジェルマン伯爵」 彼はそう呼ばれた。 彼は、10ヵ国以上の言語を話せたという。 最初に彼が登場するのは、1710年、フランスの音楽家ジャン・フィリップ・ラモーは彼の事をこう語った。 「彼は不思議な人物だ、50歳くらいに見れるが、それより若くも老けても見える、すごく話題が豊富で、ついつい話に引き込まれてしまう、彼と話していると、時間を超越した世界に生きている気がしてくる」 その後、彼は約40年後にパリの昼食会に現れた。 この時、彼と話した人物は、やはり50歳前後に見えたという。 カザノヴァは彼について「回想禄」の中でこう述べている「彼は、私の度肝を抜くような事を口にした、ダイヤを溶かし、美しい透明度をもつ、ダイヤを1ダースくらい作ってみせるとか、特殊な秘薬で何も口にする必要がないとか、本当は300歳だとか言った」 事実この時彼は、昼食会で何も口にしなかったという。 またフランス国王ルイ15世のダイヤの傷を実際に直したという、彼はこの時こう話した「私は今から200年以上前に、スペイン国王フェルナンド5世の大臣をしていた、バビロニアに居た頃はネブカドネザル大王が建設した、バビロンの都にも行きました」と話した。
/118ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8152人が本棚に入れています
本棚に追加