~御印の儀~

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暖かい日差しを背に感じてもソルトの胸の内は冬のように冷たかった。 記憶に残るこの場所の思い出。 彼は何よりもここを嫌っていた。 初めてこの場所に連れられた頃は幼く、閑散とした部屋に響く声が何よりも恐ろしかった。 あと五日。 これが示す意味をソルトは理解していた。 「………整理…か…」 流れる雲を仰ぎ見る。 その後、制服の襟を握りしめた彼は決意したように出口へと歩き出した。
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