~プロローグ~

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唸りをあげる激しい嵐の中。 城壁に囲まれた城はその優雅なたたずまいとは逆に不穏な空気が立ち込めていた。 激しい雨が城中の窓を打ち付ける。 そのうちの一室。 雷の轟音(ごうおん)と閃光を背景に部屋の内部が一瞬露(あらわ)になる。 部屋の天井には透き通るような豪華なシャンデリア。 壁には一面に飾られた剣や刃物。 そして、金や銀で作られた家具が数点、隅に置かれていた。 部屋の中央には三人の若い男がいた。 一人は赤を基調にした優美な服。 その服のあちこちには金の装飾がなされ、胸元には龍と女神が交差した刺繍があった。
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