~鑑定士~

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「へっ、そうなんだ……」 感嘆するシオの手を離し彼女は自分の袖をめくりあげた。 あらわとなった白い肌には文字のような絵のような痣〔あざ〕がくっきりと浮かび上がっていた。 蛇がとぐろを巻くように描かれた痣をなぞる。 「これが御印です。 私のものは特殊でこのような模様をしていますが、人様々で、植物や動物の絵だったり、古い文字だったりします。」 そして彼女は袖を元に戻すとどこから出したのか、片手に小さな小瓶を取り出した。 翡翠の色をしたそれはとっくりの形をしており、コルクでしっかりと栓がされていた。
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