~鑑定士~

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黒い物体はとっくりの口から体をゆっくりとはい出していく。 「それは、レンコと言う御印を彫るものです」 強張った表情でシオはその蜘蛛のような生き物を眺めた。 「○×□△……!」 言葉にならない声。 全神経がレンコに向けられる。 重みはないのだが、うごめくその感触が全身の毛を逆立たせた。 ふと遠い耳に響くルルの言葉。 「私の魔力をあなたに流すことによりレンコがあなたの御印を読み取って彫るのです。 痛みはありません。 じっとしていたら終わりますから」
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