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翌日は青く澄んだ朝だった。
鳥たちの挨拶が朝日を受けて交わされる。
学園の東塔にある古い中庭。
ひび割れたレンガに囲まれた庭には小さな窓があり、その中で一際〔ひときわ〕大きな窓が存在する。
その窓は人、一人分くらい足を曲げて寝そべることができそうなスペースがあった。
普段ならそのスペースは我が物顔で陣取る彼の特等席なのだが今日は普段と違っていた。
背中まで届く栗色の髪。
黒を基調とした学園指定の制服。
彼女はうずくまるようにしてそこに座っていた。
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