~ハンカチ~

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その言葉に彼女は振るわせていた肩を止めた。 濡れた瞳を隠すように袖でぬぐい、赤みがかった新緑の瞳を彼に向けた。 「……朝からサボり何て良いご身分ね」 苦笑。 彼女の精一杯の笑顔だった。 「イオラもな」 頭を軽くかきながら彼女のそばに近寄った。 正直どうしたらいいのか分からない頭でいっぱいだったが、イオラをほってはおけなかった。 「……話しくらいしか聞いてやれねぇけど……。 っても嫌なら別に無理に話さなくてもいいけどよ……」 沈黙。 暖かいはずの陽の光が今は冷たい。 どうする事もできず空いている窓のスペースに腰掛けた。
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