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落ちた腕。
切り離された部分からは赤い水が噴水の様に吹き出した。
「あっ、あっ、あっ」
必死に血を止めようと片手で傷口を覆うが、流れる血液を押し止めることは出来なかった。
我が目を疑いながら落ちた腕を見る。
彼の口から無意識によだれが流れ出た。
「アストラルの元に、おっ、俺を助けろ」
リュウイの蒼い瞳が光りを発した。
魔法が発動しているのであろう。
しかし、
「何度やっても同じです。
あなたの力は私には効かない。
そして、゛あなたが名前を知らない彼゛も同様です」
全てを見透かした冷ややかな目で話す彼。
「やめっ、助け……」
それが、彼の最後の言葉になった。
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