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剣についた血糊を払い、仮面の男は剣を鞘に収めた。
「後は、第三王子であるシオ。彼だけです」
そう言って沈黙する遺体を見据えた。
「第四王子はよろしいのですか?」
「構いません。サンドは場合によっては利用価値があります」
「御意」
「……あと少し」
やみそうに無い嵐を窓越しに見ながら彼は小さく言った。
「これからが、本当の嵐ですよ。トレイン」
「エルミス殿下と共に参ります」
誓いの言葉を聞くとエルミスは白いマントをひるがえした。
その後、最後に部屋に残ったのは動くことの無い肉の塊だけであった。
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