フィースローとの出会い

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その赤子は、いつまでたっても猫ヒゲを放さなかった。 辛抱強くフィースローは放すのを待ち続けたが、赤子は、小さく欠伸をすると、いきなり眠り始めた。 「おい。せめて私のヒゲを放してから寝ろ」 首を動かしてフィースローが頭ですりよると、赤子は、まるで抱きつくように空いている手で首の後ろの毛を掴み、気持ち良さそうににすやすやし始めた。 これではもうどうしようもない。
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