序章

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迷い子が一歩踏み出す毎に足下で嫌な感触と血飛沫が飛ぶ。 必死に足を動かしているつもりだったのに、どんどん眼が体を覆い、迷い子は首まで埋まった。 助けを求めるように必死の形相で周りを見渡すと、フワリ…とさっきの少年が舞い降りてきて、迷い子は少年を見上げ、愕然とした。 少年が足を着けている地面が自分の目の高さだった。 つまりもはや頭部しか迷い子にはなく、後は全て溶けており、あるのは恐怖のみで苦痛がないので気がつかなかった。
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